刀語 第一話 絶刀・鉋
![]() | 刀語 第一話 絶刀・鉋 西尾 維新 (2007/01/10) 講談社 この商品の詳細を見る |
【感想】
おもしろかった。
時代劇を扮した大河ノベルと謳っていますが、古臭さを感じさせず、コミカルな中に論理的一貫性を保った、読んでてスラスラと頭の中に流れ込んでくる読み易い小説でした。
時代背景とマッチさせた、ストーリーの展開には感心し、ただただ唸るばかりで、歴史上のある政策について「違った捉え方」をし、独特の事の運びかたをしているのには賞賛するばかりです。
ストーリーについては、しっかりと固まって、目的意識もはっきりしていますが、問題なのはキャラクターです。
まだ発展途上といいますか、キャラクターにやや魅力がないという点が残念でした。
話が進むに連れて、完成されていくことを期待するのみです。
ことば19
苦悩の余り自殺をしようとする人に対しての会話
「あんたが死んだら親が悲しむよ!」
「つまり、私が苦しみながら生きる姿を見て、親は喜ぶのか…」
「あんたが死んだら親が悲しむよ!」
「つまり、私が苦しみながら生きる姿を見て、親は喜ぶのか…」
ことば18
某所にある看板
「人と人とのふれあいを大事にしましょう」
「痴漢に注意!」
「人と人とのふれあいを大事にしましょう」
「痴漢に注意!」
ことば17
「私は極度の潔癖症だ。綺麗好きなのだ。だが、そんなわたしにも嫌いなものがある」
「それはなんですか?」
「奇麗事だ」
「それはなんですか?」
「奇麗事だ」
ことば16
「努力は実る」
「才能は開花する。努力より才能のほうが美しいということか」
「才能は開花する。努力より才能のほうが美しいということか」
ことば15
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」
「得てして人の一生とは、宇宙の歴史からみると一時にすぎないという」
「聞こうが、聞きまいが、恥さらしだ。まず自分で調べろ」
「得てして人の一生とは、宇宙の歴史からみると一時にすぎないという」
「聞こうが、聞きまいが、恥さらしだ。まず自分で調べろ」
ことば14
「これからは男も料理ができなきゃね」
「コックのほとんどは男性なんですが」
「コックのほとんどは男性なんですが」
ことば13
「子どもって純真だよね。目が輝いてるもん」
「大人と話すとき、上を向くからそう見えるだけだ。太陽や電球の明かりが目に映っているに過ぎない」
「大人と話すとき、上を向くからそう見えるだけだ。太陽や電球の明かりが目に映っているに過ぎない」
下流志向
![]() | 下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち 内田 樹 (2007/01/31) 講談社 この商品の詳細を見る |
【感想】
推論だらけで実証データが皆無。
自論を裏付けるような引用ばかりで、都合の悪いものは無視。
机上の空論だらけ。
行き過ぎた低俗な考え、まさに過流思考。
考察本といえますが、1章と4章だけは一読してみてはよいかもというぐらいでしょう。
とりあえず読む価値なし。
99%の誘拐
![]() | 99%の誘拐 岡嶋 二人 (2004/06) 講談社 この商品の詳細を見る |
【感想】
誘拐、という言葉がタイトルに含まれていますが、その誘拐された人質が危険に去らされるというシーンがなく、緊迫性のないものでした。
あらかじめ話の最初のほうで、人質に危害が加えられないということが明確となってしまうので、そういった危険と隣り合わせといったサスペンス性は皆無です。
ミステリーというよりは、SFを多く含んだ作品といえ、タイトルの99%の誘拐という「すごみ」が薄れました。
ストーリーとしても、犯人の支持にただ従って進むだけで何の起伏もない、展開の乏しいものでした。
読む価値なし。
ことば12
失敗で落ち込んでいる人を、ありきたりな言葉で励ますということについて
「完璧な人間なんていないよ!」
「いる、いないの二元論でいえばその通りだ。皆が、完璧でない人間に属する。だが実際は、完璧に近い人間、完璧に程遠い人間が存在する。そのうちの後者に近いから落ち込んでいるだけで、貴方の慰めは、効果が微塵もない」
「完璧な人間なんていないよ!」
「いる、いないの二元論でいえばその通りだ。皆が、完璧でない人間に属する。だが実際は、完璧に近い人間、完璧に程遠い人間が存在する。そのうちの後者に近いから落ち込んでいるだけで、貴方の慰めは、効果が微塵もない」
すべては脳からはじまる
![]() | すべては脳からはじまる 茂木 健一郎 (2006/12) 中央公論新社 この商品の詳細を見る |
【感想】
タイトルからの脈絡が少ない、著者のエッセイ本という感じでした。
多くが脳に関する内容なのですが、入門書といった感じで、この著者は文才がないのが致命的でした。
読む価値なし。
バスジャック
![]() | バスジャック 三崎 亜記 (2005/11/26) 集英社 この商品の詳細を見る |
【感想】
独創的なアイデアをちりばめた「非日常を日常化」させた小説でした。
不条理なのだけれど、それを感じさせずに物語りにのめりこませてくれる落ち着いた文体。
とことん練りこんだ世界観の設定が、読み取れるし、頭に浮かぶ。
短編集でばらつきがありますが、すべてが奇抜な物語となっている。
文体にはまだまだ個性がみられないが、そこは次の作品に期待することにする。
青の炎
![]() | 青の炎 貴志 祐介 (2002/10) 角川書店 この商品の詳細を見る |
【感想】
完全犯罪をもくろむ一人の少年が孤独な戦いを挑む!
青い炎、つまり完全燃焼系ミステリー!
というわけで犯人の視点で進む小説でしたので、心理状態がわかり面白く、捕まるかどうかの瀬戸際を縫うように進む緊張感がよかったです。
主人公は高校生で、その設定をちゃんとトリックにいかしているところがすばらしいです。
特にこのような倒叙系ミステリーでは、ラストはたいてい後味の悪いものになるのですが、この小説では拍手喝さいしたくなるような感情移入させられる類まれなラストを用意してくれました。
【印象に残った台詞】
パソコンなどで予期せぬ不明瞭などうしようもないエラーが起きたとき、強制終了させなければならない。
それは、人間も同じだ。
ことば11
人間「皆さん、もっと地球に優しい人間になりましょう」
地球「まず、その汚い足をどけろ」
地球「まず、その汚い足をどけろ」
クルマを捨てて歩く!
![]() | クルマを捨てて歩く! 杉田 聡 (2001/08) 講談社 この商品の詳細を見る |
【感想】
「クルマは便利なモノ」という先入観を拭い去り、
いかにクルマが不便なものであるか、
どれほどクルマが迷惑なものであるか、などについてまとめた本です。
非常に良い本でした。
私自身もクルマは廃絶すべきだと常々思っています。
クルマではなく公共機関(バス)などを利用すべきなのです。バスはクルマ30台分に匹敵するといわれます。つまり、バスに乗ればそれだけ道路が空くということです。
環境にも良し。地方の活性化にも良し。
クルマを使わずに歩けば、なお健康にも良し。
いいことづくしなのです。
そんな考えを裏打ちしてくれるような本でした。
【まとめ】
印象に残った章をまとめました
第一章 クルマを捨てると時間が増える
矛盾しているようにも思えるタイトルですが、そうではありません。
忙しい時間に追われる時代に生きている今の人たちにとって、時間を節約しようとすればするほど、時間に対しての感覚に敏感となってしまい、急いで物事を進めようとします。そうなると時間に対する感覚が絶えず「少ない」と感じるようになります。
たとえば、目的地まで歩いて30分が、クルマでは5分だとすると、たった30分という時間でさえが「果てしのない時間」と錯覚してしまうようになります。時間に対する感覚が狂うのです。
早く早くとせわしなく動くことでゆとりを持てず、ストレスをため続けることになります。
そういった意味でクルマを捨てることで、主観的な意味で時間が増えるということです。
またクルマの維持費についての観点からも同じようなことがいえます。クルマの維持費を仕事の残業代として考えたとき、これもクルマを捨てることで残業をせずにすむ、イコール時間が増えるということになります。
さらにおもしろいのはクルマの平均速度から考えているという点です。クルマが信号などで止まったり、渋滞などでのアイドリング状態などから考えて、平均時速が20kmにも満たないというのです。
一見して速い乗り物にも見えますが、実際はこのように、トータルで見て大して速くはないのです。そんなたいしたことない乗り物に時間を費やすことで時間を無駄にしているということになります。
第二章 クルマを捨てるとお金が増える
これはもう当然のことで、先ほどの第一章の応用といいますか、大して有用な乗り物でもないものにお金を使わずにすましましょうという内容です。
・クルマなしで家が二軒買える
・無駄な買い物が増える…クルマを利用すると一気に買い込もうとするため、余計なものでも買ってしまうから
・税金の節約…クルマを使う人の自動車税だけでなく、使わない人からも一般財源としてお金を徴収されてしまう。環境悪化、交通整理、道路設備、通りに植木などといった費用がかさんでしまう。
個人的なお金の節約だけでなく、国全体としても節約になるということです。
第三章 クルマを捨てると体力がつく
30分歩くだけで、十分な運動となるのはもう周知の事実であり、クルマを捨てるだけでこの目標が軽々と達成できてしまいます。
歩くということで新鮮な空気を取り入れる。脳の活性化にもつながる。精神的な部分でも体力がつくということです。
そしてこの作者はなにより、運動後の食事がいかにおいしいものかということも述べています。それがクルマを捨てて歩くことでなんなく自分のものにすることができるといっています。
第六章 子供はクルマなしで育てたい
クルマありきの生活となっている、と作者は危惧しています。
子供が出かけるとき「クルマに気をつけて!」という。この前提からして明らかにおかしい。本来ならばクルマに「子供に気をつけて」というべきなのです。
登校中、クルマに乗った学校の先生などが「ふざけながら歩くと危ないよ!」という。これも明らかにおかしい。そういった状況にさせているのは先生たちが乗ったクルマなのだ、と作者怒りを発しています。
また子供に対する交通安全教育についても疑問を呈しています。小学校などにそういった教育をさせても、子供の認識能力というは実際の現場では低いので効果がありません。本当に教育をしなければならないのはドライバーであり、彼らの意識を改革させなければ事故はなくなりません。
第七章 クルマを捨てると環境がよくなる
・なぜ排気ガスに気がつかないのか…ガスは目に見えないので「毒」だという認識ができない
・文明の利器ではない…人口の増加につれてクルマを増えていき環境の悪化に歯止めがきかない状態
・アスファルト舗装はいらない…土の状態で生物循環も良くなるし、温暖化対策になる
【印象に残ったセリフ】
テレビコマーシャルには、クルマを利用することで生まれる「家族の愛」「便利さ」「美しさ」ばかりを語っているが、本質の部分はまったく触れられていない
ことば10
「恋をすると、周りのものすべてが美しく見えてくるよね」
「半分正解で、半分間違いだ。美しく見えるのではなく、醜いものを認識しまいと脳が都合の悪いものを排除しようとする。結果的に、脳内で自分にとって好都合なものしか残らなくなる。これを、恋は盲目と呼ぶ」
「半分正解で、半分間違いだ。美しく見えるのではなく、醜いものを認識しまいと脳が都合の悪いものを排除しようとする。結果的に、脳内で自分にとって好都合なものしか残らなくなる。これを、恋は盲目と呼ぶ」
雑記6
読書の魅力とは一体何なのでしょうか。
まず、単位時間当たりの情報量の多さという点があります。耳で聞く話には速度に限界がありますので、目で捉える文字の方が便利です。
テレビ番組などで見られる娯楽教養番組は、どうしても情報の密度が薄いものとなっています。これは、堅苦しさを防ぐためという視聴者の姿勢が反映されているからです。最近ではこれが行き過ぎて、タレントのとりとめのない話に尽きていますが……。
また、新しい価値観が得られるという点もあります。違った視点を得ることができる、と言い換えられます。
私が思う、読書の最大の魅力というのは、自分が無知だということを教えてくれる、という点でしょうか。
本を読めば読むほど、知識をつければつけるほど、その何倍もの「知らないこと」を知るようになります。つまり「無知」であることを知る、という意味です。
人間というのは、大抵、必要最小限の日常生活をすごしていると、自分が何でも知っている何でもできる完璧な人間だという錯覚に陥りやすくなります。
こうなりますと、その態度は傲慢、かつ高慢になり、相手の意見に耳を傾けなくなります。
そうなると、独断と偏見で突き進み、やがては不利益を被ることになるのです。
ですが、読書で自分が無知であることを知れば、以下に自分がその「無知である部分」を社会の中でお互いに補い合って生きているかが理解でき、人の意見にも耳を傾けられるようになります。そうすれば、新しい価値観、自分を戒める冷静中立な態度、客観的な視線を得ることが出来る。
読書の魅力は尽きませんね。
まず、単位時間当たりの情報量の多さという点があります。耳で聞く話には速度に限界がありますので、目で捉える文字の方が便利です。
テレビ番組などで見られる娯楽教養番組は、どうしても情報の密度が薄いものとなっています。これは、堅苦しさを防ぐためという視聴者の姿勢が反映されているからです。最近ではこれが行き過ぎて、タレントのとりとめのない話に尽きていますが……。
また、新しい価値観が得られるという点もあります。違った視点を得ることができる、と言い換えられます。
私が思う、読書の最大の魅力というのは、自分が無知だということを教えてくれる、という点でしょうか。
本を読めば読むほど、知識をつければつけるほど、その何倍もの「知らないこと」を知るようになります。つまり「無知」であることを知る、という意味です。
人間というのは、大抵、必要最小限の日常生活をすごしていると、自分が何でも知っている何でもできる完璧な人間だという錯覚に陥りやすくなります。
こうなりますと、その態度は傲慢、かつ高慢になり、相手の意見に耳を傾けなくなります。
そうなると、独断と偏見で突き進み、やがては不利益を被ることになるのです。
ですが、読書で自分が無知であることを知れば、以下に自分がその「無知である部分」を社会の中でお互いに補い合って生きているかが理解でき、人の意見にも耳を傾けられるようになります。そうすれば、新しい価値観、自分を戒める冷静中立な態度、客観的な視線を得ることが出来る。
読書の魅力は尽きませんね。
ことば9
「私と仕事、どっちが大切なの!?」
「私」
「私」









