まったりと読書すればいいじゃないですか

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11文字の殺人

11文字の殺人 11文字の殺人
東野 圭吾 (1990/12)
光文社

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【超簡単なあらすじ】
「狙われている」と怯える恋人が殺され、彼の遺品からある資料が盗まれる。警察に助けを求めないという恋人の不審さ、見られてはまずいといわんばかりの資料の盗まれ方。これらの異常さをもたらす秘密を探る、サスペンス溢れるお話。

【感想】
「無人島より殺意をこめて」
このたった11文字の手紙が引き起こす、殺人事件の連鎖。復讐劇をおもわせるかのような入り方で物語が始まっていきます。

このお話は、人間の手前勝手さが引き起こす、人間として恥ずべき作品です。
人間の自己正当化とは、あくまで利己的な立場で行なうもので、狡賢い、狡猾さを伺わせるものです。

何が正しいか何が間違っているかわからない問題というものも、この世の中にはあります。
そういう状況下になったとき、人間は「正当化」を行なう。
「こうするしかなかったんだ」と。
自分本位で、ベストよりベターな手段を選ぶ。多数の被害を避けるための少数の被害。

これらが引き起こす、ある殺人事件。
そしてそれに立ち会った人は、「彼が悪いんだ」と言い訳をします。
しかし、あくまでそれは言い訳。自己正当化という名の言い訳。
よりにもよってたちの悪いのが、自己正当化をする人たちは心の中のどこかで、「自分たちが間違っていることを知っている」。真実はわかっている。
しかし、自己のためにそれをひたすら隠し通す。

人間とは弱い生き物だというセリフがでてきますが、これの真意はどのようなものかを考えてみる必要がありそうです。

【印象に残ったセリフ】
それに、と人はいう。それに人間とは弱い生き物なのだ――。
一般論ではあるが、誠実さはない。

やはりこの女も、真の答えを知っていたのだった。それを弱さという名の狡さで隠していただけなのだ。

彼らは自分たちの行為を当然だとさえ思っている。人間ならば当然だと。
人間ならば?
とんでもない。
彼らが行なったことは、最も人間的なものを否定することに等しいのだ。

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