超・殺人事件
![]() | 超・殺人事件―推理作家の苦悩 東野 圭吾 (2004/04) 新潮社 この商品の詳細を見る |
【感想】
推理作家であるがゆえの苦悩などを、ユーモアをきかせ皮肉たっぷりに語るお話。8つのエピソードがあります。
◆超税金対策事件
本が売れるようになってから、確定申告の税金対策に苦労し、それをどう切り抜けていくかという、切羽詰った追い込まれた描写がとてもリアルでした。
様々な費用を、経費としてキックバックさせるために、ありとあらゆる手段で作家は小説の中に無理やり情報をねじ込める様子が、笑えました。
◆超理系殺人事件
殺された人間とそれを取り巻く人が「理系」と呼ばれるものたちで、事情調査する警察がその理系という人間の難解さに四苦八苦するお話。
警察が、うんざりする様子が目に浮かび、笑えました。
◆超長編小説殺人事件
長編を望む読者の風潮にあわせて、作家が一度完成した小説をこじつけ無理やりに文章を長くさせていき、巨大長編を完成させるというお話。長編完成前と完成後の比較が載ってあるので、それを見比べることができ、やりすぎだろーと笑ってしまいます。
作家にとっては悩みなのだろうけど、その苦悩の様子と切り抜けようとするあがきのようなものが滑稽で面白いです。
【印象に残ったセリフ】
奇妙な時代だ、と思う。本をあまり読まないくせに、作家になりたがる者が増えている。さほど売れていないのにベストテンが発表されたりする。一般読者が知らないような文学賞が増えている。本という実体は消えつつあるのに、それを取り巻く幻影だけがやけに賑やかだ。
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