クルマを捨てて歩く!
![]() | クルマを捨てて歩く! 杉田 聡 (2001/08) 講談社 この商品の詳細を見る |
【感想】
「クルマは便利なモノ」という先入観を拭い去り、
いかにクルマが不便なものであるか、
どれほどクルマが迷惑なものであるか、などについてまとめた本です。
非常に良い本でした。
私自身もクルマは廃絶すべきだと常々思っています。
クルマではなく公共機関(バス)などを利用すべきなのです。バスはクルマ30台分に匹敵するといわれます。つまり、バスに乗ればそれだけ道路が空くということです。
環境にも良し。地方の活性化にも良し。
クルマを使わずに歩けば、なお健康にも良し。
いいことづくしなのです。
そんな考えを裏打ちしてくれるような本でした。
【まとめ】
印象に残った章をまとめました
第一章 クルマを捨てると時間が増える
矛盾しているようにも思えるタイトルですが、そうではありません。
忙しい時間に追われる時代に生きている今の人たちにとって、時間を節約しようとすればするほど、時間に対しての感覚に敏感となってしまい、急いで物事を進めようとします。そうなると時間に対する感覚が絶えず「少ない」と感じるようになります。
たとえば、目的地まで歩いて30分が、クルマでは5分だとすると、たった30分という時間でさえが「果てしのない時間」と錯覚してしまうようになります。時間に対する感覚が狂うのです。
早く早くとせわしなく動くことでゆとりを持てず、ストレスをため続けることになります。
そういった意味でクルマを捨てることで、主観的な意味で時間が増えるということです。
またクルマの維持費についての観点からも同じようなことがいえます。クルマの維持費を仕事の残業代として考えたとき、これもクルマを捨てることで残業をせずにすむ、イコール時間が増えるということになります。
さらにおもしろいのはクルマの平均速度から考えているという点です。クルマが信号などで止まったり、渋滞などでのアイドリング状態などから考えて、平均時速が20kmにも満たないというのです。
一見して速い乗り物にも見えますが、実際はこのように、トータルで見て大して速くはないのです。そんなたいしたことない乗り物に時間を費やすことで時間を無駄にしているということになります。
第二章 クルマを捨てるとお金が増える
これはもう当然のことで、先ほどの第一章の応用といいますか、大して有用な乗り物でもないものにお金を使わずにすましましょうという内容です。
・クルマなしで家が二軒買える
・無駄な買い物が増える…クルマを利用すると一気に買い込もうとするため、余計なものでも買ってしまうから
・税金の節約…クルマを使う人の自動車税だけでなく、使わない人からも一般財源としてお金を徴収されてしまう。環境悪化、交通整理、道路設備、通りに植木などといった費用がかさんでしまう。
個人的なお金の節約だけでなく、国全体としても節約になるということです。
第三章 クルマを捨てると体力がつく
30分歩くだけで、十分な運動となるのはもう周知の事実であり、クルマを捨てるだけでこの目標が軽々と達成できてしまいます。
歩くということで新鮮な空気を取り入れる。脳の活性化にもつながる。精神的な部分でも体力がつくということです。
そしてこの作者はなにより、運動後の食事がいかにおいしいものかということも述べています。それがクルマを捨てて歩くことでなんなく自分のものにすることができるといっています。
第六章 子供はクルマなしで育てたい
クルマありきの生活となっている、と作者は危惧しています。
子供が出かけるとき「クルマに気をつけて!」という。この前提からして明らかにおかしい。本来ならばクルマに「子供に気をつけて」というべきなのです。
登校中、クルマに乗った学校の先生などが「ふざけながら歩くと危ないよ!」という。これも明らかにおかしい。そういった状況にさせているのは先生たちが乗ったクルマなのだ、と作者怒りを発しています。
また子供に対する交通安全教育についても疑問を呈しています。小学校などにそういった教育をさせても、子供の認識能力というは実際の現場では低いので効果がありません。本当に教育をしなければならないのはドライバーであり、彼らの意識を改革させなければ事故はなくなりません。
第七章 クルマを捨てると環境がよくなる
・なぜ排気ガスに気がつかないのか…ガスは目に見えないので「毒」だという認識ができない
・文明の利器ではない…人口の増加につれてクルマを増えていき環境の悪化に歯止めがきかない状態
・アスファルト舗装はいらない…土の状態で生物循環も良くなるし、温暖化対策になる
【印象に残ったセリフ】
テレビコマーシャルには、クルマを利用することで生まれる「家族の愛」「便利さ」「美しさ」ばかりを語っているが、本質の部分はまったく触れられていない
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感情的過ぎて説得的でない:クルマを捨てて歩く!
クルマを捨てて歩く! (講談社プラスアルファ新書)作者: 杉田 聡出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/08メディア: 単行本 車を持たない筆者の車を持たないことのススメ。 私も車は持たない主義だが、この人の論調には着いていけない。

