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言いたいことが言えない人

言いたいことが言えない人―「恥ずかしがり屋」の深層心理 言いたいことが言えない人―「恥ずかしがり屋」の深層心理
加藤 諦三 (2006/01)
PHP研究所

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【超簡単なあらすじ】
言いたいことが言えない「恥ずかしがり屋」が持つ、心理的ハンディキャップについてのお話。

【感想】
「恥ずかしがり屋」の深層心理の形成を、主に家族(親)に原因があるのでは、という点に興味深さを感じました。
親は絶対的権威であり「さからえない」という、脅威を感じることで、「自分を出せない」癖が身についてしまうという流れですが、私自身もそのような覚えがありました。

何をするにしても、親から「このほうがいい、こっちにしなさい」などと、自分を認めてもらえないことが多かったように思います。
つまり、すべては「親のため」という行動パターンをとる癖になってしまうのです。
また、「親の顔色を窺う」ということもありました。これも、「親が持つあるべき姿」に近づくため、「自分を殺す」ことになり、結果自分がわからなくなるようです。これまた、身に覚えがありました。

こうなってくるともう手がつけられなく、自分がないものだから自我がない、つまり自身がなくなるというのです。
普通ならここで、自殺でもしてしまうものなのですが、そうならないのにわけがあるそうです。

それが、子どものころに十分に得られなかった幼児的欲求です。(親が子どもに、こうあってほしいという愛を要求するあまり、子どもが親に愛を要求できないということ)
これを満たすために、「自分なんて必要ない」と思うその反面、どこかで「誰かに認められたい」という気持ちが芽生え、「自分を作る」という行為に繋がります。

理想的な自分を作るものだから、それが現実で追いつかず、他人と接した時にボロが出て、その理想とのギャップに打ちひしがれ、再び自分なんて……という思考へと悪循環していきます。

こうなると負のスパイラルに突入し、次は「ボロが出ないように」という取り繕う考えに支配され、「失敗したら」という心配性に悩まされ、やがては「もうどうせなら、人と接しなければいい」と考えるようになっていきます。

この時点で常に、相手のことではなく自分のことばかり考えるようになります。これがコミュニケーションが成立しない条件です。

言いたいことを言えないのは、上記のようなコミュニケーション不足から始まり、幼少期のころの「親に逆らえない恐怖」が無意識下で働き、反論さえできません。

そして溜まりにたまった鬱憤や不満欲求などが自分の方に向かうことで「うつ病」を引き起こしてしまうことになります。

「恥ずかしがり屋」には、ほとんど責任はありません。それを認める相手も必要であるし、なにより長い時間をともにする親がそれを子どもを認めてあげなければなりません。

そしてもっとも必要な前提事項は、「恥ずかしがり屋」自身が自分を認めることから始まります。理屈で言えば簡単なのですが、そううまくはいきません。

しかし、相手に認められなくて何か不都合があるのか、などとメタな疑問を繰り返して、自分を確立していくしかありません。

私自身もこのような境遇なのでそう簡単にいうな、と思うところがありました。

しかし、次のような文を見て、少しは自身を持っていいのではないかと思いました。
実際、理想の環境に生まれ、理想の環境で育った人で偉大な人というのはいるだろうか。偉大な人とは、その理想でない環境を乗り越えた人なのである。
恥ずかしがり屋の人は、恥ずかしがり屋にならざるをえない環境に生まれた。
そのことを、「私は神から愛されている」と解釈することである。


【印象に残ったセリフ】
よくいじめられていた子どもに「言い返せばいいじゃないか」という人がいるが、それは言い返したときの恐怖の体験をしていない人が言う戯言である。

【関連】
書籍『「あなたを傷つける人」の心理』

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