capeta
![]() | capeta カペタ (1) 曽田 正人 (2003/10/17) 講談社 この商品の詳細を見る |
【感想】
熱いレーシングロマンを題材にしたマンガです。
主人公の家庭は貧乏であり、それが「環境に恵まれた」という方向へ転がっていきます。
つまり「逆境」を利用したわけです。
環境に恵まれていないことが、自分を追い込み、それが結果的に恵まれたことになる。
主人公にはもちろん「才能」があります。しかし、その才能を生かす「執念」も備えています。
貧乏でありながらも、なんとか生き延びようとする「執念」のようなものが、「才能」を伸ばしていく。
この作品は非常に人気がありますが、それは主人公のひたむきさに惹かれるからなのかもしれません。
普通、子どもなら多少はひねくれたものであるべきなのが、家庭の貧しい状況から控えめな子として育っています。
しかし、だからこそ、今まで抑えてきた純粋な熱意が、レースで爆発します。
貧乏だから良いマシンも買えない。しかし、性能を自分のテクニックでカバーしようと考える。
熱いマンガです。
もやしもん
![]() | もやしもん 1―TALES OF AGRICULTURE (1) 石川 雅之 (2005/05/23) 講談社 この商品の詳細を見る |
【感想】
菌が肉眼で見えるという大学生と、その仲間たちでダラダラと進む農大でのお話。
主に微生物に関係した豆知識がつまったようなもので、ミステリー仕立てになっているような話もあり、おもしろいです。
菌といっても、リアルなグロテスク体のものが見えるのではなく、デフォルメされたような愛嬌ある絵柄になっているので親しみやすいです。
こんなの↓
§
∞, ´ ̄ `:∞
∞i ・ ・ i∞
ヽ i二フ, '
「ヽ/|
レ-.J
農大という設定で、あまり馴染みのない背景もあるせいか、物語に引き込まれやすいです。
まだ完結はしてません。
こどものおもちゃ
![]() | こどものおもちゃ―完全版 (1) 小花 美穂 (2003/07/15) 集英社 この商品の詳細を見る |
【感想】
こども目線で見た、社会やそれを取り巻く状況を描いた作品です。
といっても、作者が大人であることもあり、こども目線というのはいささか無理がある描写もちらほらと……。(つまり、妙に大人びた子どもの登場が多いということです、ハイ)
しかしそれを差し置いても、この作品は面白い。それはなんでなのでしょうか。
まず、この漫画では「大人たちの汚い面」を子どもの視点から描いているため、いささかシリアスな展開へと転がっていきそうな感じなのですが、そこは作者のうまいところで、絶えずギャグをちりばめています。
主人公がやんちゃでおどけた性格という設定にしてあるため、シリアスなシーンをのらりくらりとかわしていく様子が爽快です。
ギャグがあるということで軽薄なものになっているかとも思えそうですが、バッチリ最後は決めてくれます。思わず笑ってしまうようなギャグも、それが後々に「嫌な事も陽気に」という「子どもの健気さ」に変わっていき、ラストに向かっての感動の一因ともなってきます。ギャグが感動へと繋がるなんて、私は考えもしませんでした。
恋愛要素も勿論ありますが、そこには各人それぞれ「悩み」を持っていることにより、お互いくっつきそうになたり離れたりと、読者をハラハラさせるようにもなっています。
ラブコメとうたっていますが、そんなジャンルでは収まらない後世に残して恥ずべきでない作品でした。
ギャグマンガ日和
![]() | ギャグマンガ日和―増田こうすけ劇場 (巻の1) 増田 こうすけ (2000/09) 集英社 この商品の詳細を見る |
【超簡単なあらすじ】
シュールでブラックで不条理なギャグをちりばめたお話。
【感想】
まず、シュールということについてですが、この作品のキャラクターの多くは「目に光がない」という特徴があります。
普通、漫画のキャラクターには、「目の輝き」を描写していて、どこか生き生きとした瞳を書き分けています。
しかし、この作品には、光があたっていないかのように、目が暗くなっています。(瞳がすべて黒ベタ塗り)
それによって「どこを見ているかわからない」雰囲気や、「生気が無い」、また「冷めた目つき」を作り出しており、それがこのシュールさを引き出しているのだと思います。
さらに、キャラクターが少し斜めで描かれているというところも、シュールさに繋がっています。
斜めということは、相手に目を向けるとき、目だけ横にずらさなければなりません、そうなると、相手を「蔑視」するかのような、はたまた「見下す」かのような、そんな表情が作られます。
不条理についての例は、不自然な体勢とか、明らかに多い出血、奇妙な擬音、物理法則を無視した行動、などよくわかりません。不条理ですから。
ブラックについては、これはSMみたいなものがあります。この作品ではSのボケとMのツッコミ、SのツッコミとMのボケみたいな感じで分けられており、その上下差からくるものがブラックなオーラを出しているようです。
ギャグマンガにありがちな、「タメ」もうまく使い分けています。タメというのは、ボケの後の空白感に満ちたコマのことで、これを使うことで次にくるツッコミの威力が増すというものです。多分。
「ツッコミが来るぞ来るぞー」と期待して、次のコマのツッコミでスカッとする寸法でしょう。
賛否両論のようなのですが、頭の堅い人にはお勧めできないかもしれません。理解するよりは、ギャグを「目で見て」感じ取ることができればベストでしょう。それが、小説ではギャグが難しいといわれる所以なのかもしれません。
【名言】
「お死マェバッしマァッアバァッ」
【関連】
書籍「すごいよ!!マサルさん」「ピューと吹くジャガー」
め組の大吾
![]() | め組の大吾 (1) 曽田 正人 (2005/10) 小学館 この商品の詳細を見る |
【超簡単なあらすじ】
消防士とか救急車とかレスキュー隊とかが「うおーっ!」と奔走し、被災者を「うりゃーっ!」と救出し、読者である私たちが「おっしゃーっ!」と拳を握るようなお話。
【感想】
主人公が類を見ない特異な才能を持つ、いわゆる「ヒーロー」モノの漫画です。
闘う男たち(女性もちゃんと闘ってますよー)をベースにしてあるので、ひたすら熱いお話なのです。
それに加えて、消防士につきものな「火災」もあり、さらに熱い漫画になっています。もうほんと熱すぎて、読んでいて何度ヤケドしたことかわかりません。
読む前は、「どうせ放水して終わりだろー」とか安易な考えを持っていて、「火の用心しようねー」で終わる漫画と思っていました。
恐らくそう考えた原因は、タイトルである「め組」という言葉が持つイメージによるものだと考えました。
どういうことかというと、普通消防士に「〜組」なんてものはないはずですよね。
偏見かもしれませんが「〜組」から、「やぐら」とか「ねじりはちまき」とか「ワッショイワッショイ」とか「江戸っ子お祭り」のようなキーワードが連想されたのです。
背中に「め組」と書かれた「はっぴ」を着ているのを想像しませんか?
ですから地味だと常々感じて、敬遠していたのです。
「お祭り」的なイメージを浮かべてしまったことにより「軽い印象」を持ってしまったのが私の敗因(?)でした。
ですが実際は違いますよー。同じように偏見を持っている方がいれば、いますぐその考えを払拭しましょう。燃やしてしまいましょう。
消防士から救急士、レスキュー隊など119番に関連するものに次々と挑戦していくので、マンネリではない楽しさがあります。
毎回スリルだらけのお話であり、私も一緒になって足を踏ん張り、ふくらはぎがスリムになったことは内緒です。
特に注目すべきなのは、このお話は「根性論」ではない、ということです。やればできる、とか気合で被災者を助けるとか、そんな陳腐な話ではありません。
ちゃんと、合理的な解決策を持って、「知的」に攻略するところも、この漫画の面白いところです。
少年漫画で特にポイントとなる「ライバル」についても、非常にわくわくさせるものがあります。少年の成長にはライバルの存在が必要なのです。
普段はお互いライバル視しているものが、「被災現場」では力をあわせるところは圧巻そのものです。鳥肌が立ちます。
仲良くなったりまたケンカしたりと、読者を「あぁもうっ。仲良くしろお前らー」と地団太を踏ませ、近所迷惑になります。
唯一の欠点は、この本を読んでいると、ガスの元栓がちらほらと気になるということでしょう。嘘です。
【見どころ】
臨場感を出すために、災害現場では輪郭などの「線」が荒くなっています。普段の日常的なシーンでは、割とコザッパリとした絵なので、そのギャップが「現場」という「過酷さ」を表現できていると思います。
煤の汚れや、火によってできる陰影をうまく出していて(スクリーントーンの使い分け)、普段の何気なく使われる黒いベタが、生々しい「黒コゲ」の描写へとなっています。
動きのあるシーンでは、ラインを削って「ブレ」のようなものを作り、それが「コマで捕らえきれない動き」をしっかりと伝えています。
とにかく「現場の火災シーン」は、一番の見どころだと思いました。
【名言とか】
「物理学者のアインシュタインは…子どもの頃、数学ができなかったといいます。
いえ……正確には、アインシュタインは数学の成績がよくなかったという……なぜなら、
先に解答が閃いて、そこへ至る解法を、他人に説明できなかったからだそうです。
奴の話を聞いていて…何故かその話を思い出しました」
【関連もの】
映画「バックドラフト」「炎のメモリアル」





